社労士事務所アソシエ通信2020年2月号-その他の話題

 事務所通信2月号に掲載できなかったその他の話題をこちらでご紹介しております。

ひとり親従業員に対する支援と助成金

母子世帯・父子世帯の世帯数は、平成27年の国勢調査によると、母子世帯で754,724世帯、父子世帯で84,003世帯でした(平成27年10月1日現在)。子育てと就業の両立が難しいなどの理由から、母子家庭の母、父子家庭の父の就業は困難なことも多いと思われます。社員には安心して長く働いてもらいたいと考える企業にとって、ひとり親従業員に対して何ができるでしょうか。

 

◆「はたらく母子家庭・父子家庭応援企業表彰」受賞企業の取組策

厚生労働省では、ひとり親家庭の就業支援に積極的に取り組んでいる企業や団体を表彰する「はたらく母子家庭・父子家庭応援企業表彰」を平成18年から行っています。平成30年度に受賞した企業の取組みを見てみましょう。

〇【株式会社ヨシケイ】(埼玉県/夕食材料等の配達事業)

・社員から「本音の困りごと」を聴き取り、常に職場環境の改善を重ねる

・子供を家で待たせないために定時退社の促進。家族での時間を確保するため、有給休暇の取得を促進

・完全週休2日制。ノー残業

・婦人科検診実施や人間ドックの補助

・子供が病気でも休めるバックアップ体制

〇【株式会社羽島企画】(岐阜県/福祉・介護サービス事業等)

・定時退社、夜勤時間帯の就労免除

・0~2歳児の保育料援助(提携保育園へ預ければ保育料無料)

・会社行事への子連れ参加 など

〇【有限会社ライフケア】(熊本県/福祉・介護サービス事業等)

・保育園で預かってもらえないときの子連れ出勤

・時間単位有給休暇取得制度 など

 

◆企業に対する厚生労働省の助成金

① 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)……ハローワーク等の紹介で、ひとり親を継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に、賃金の一部に相当する額を助成。

② トライアル雇用助成金……ハローワーク等の紹介で、ひとり親を一定期間(原則3カ月)試行雇用する事業主に、助成金を支給。

③ キャリアアップ助成金の加算……キャリアアップ助成金正社員化コース(有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成)を実施する際に、対象労働者がひとり親の場合に助成金を加算。

 

利用者急増!“退職代行”サービス

◆“退職代行”とは

近年、退職代行サービスの利用者が増加しています。退職代行サービスとは、直接退職の意思を伝えることが難しい従業員に代わり、退職意思の伝達や、処理を行うものです。利用者は退職する企業と一切やり取りをすることなく、自分で辞めるよりもスムーズに退職できると謳う業者が多いのが特徴です。

一方、弁護士のいない代行会社も多く、その場合は利用者の意思・希望の伝達以上のことはできません。退職にまつわる交渉等をするには、企業は従業員本人と連絡をとらなければなりません。費用は3~5万円が多く、弁護士に依頼するよりも当初の費用は抑えられますが、代行する行為にも制限があるのが特徴です。

 

◆背景にある問題

利用者が増加する背景には、さまざまな問題があります。退職代行サービスを利用する理由として多いのは、次のようなものです。

  • 退職の意思を伝えたが、人手不足や上司の多忙等を理由に受け入れてもらえない
  • パワハラがあり、相手の態度・言動が怖くて退職を言い出せない
  • 執拗な引留め交渉に時間を取られたくない

従業員本人としては退職の意思が固まっているにもかかわらず、企業側がそれを受け入れないという状況が読み取れます。「自分の意思が尊重されないのでは」という思いが利用者側にあるようです。

 

◆企業の対応

従業員が退職代行サービスを利用すると、ある日突然、代行会社から企業に連絡がきます。書面や電話等により、「当該従業員は本日より出社できない、有給を消化したうえで退職したい、以降の連絡は退職代行会社へしてほしい」という旨を伝えられることが多いようです。突然出社しなくなるため、退職の理由を従業員本人から聞く機会もなければ、業務の引継ぎも難しい場合がほとんどです。

原則として退職は自由です。それが従業員本人の意思であれば、企業は退職を受け入れ、必要な手続きを速やかに行うのが一般的です(交渉すべき事項がある場合は除く)。

問題がこじれるのを防ぐためにも、従業員が退職代行サービスを利用しなくてもよいと思える環境を企業が整備することが求められます。

 

令和元年 障害者雇用状況の集計結果

◆雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新

厚生労働省は、民間企業、公的機関などにおける令和元年「障害者雇用状況」集計結果を公表しました。

集計結果によると、民間企業における雇用障害者数は56万608.5人(対前年4.8%、2万5,839人増)、実雇用率は2.11%(対前年日0.06ポイント上昇)と、ともに過去最高を更新しています。雇用者のうち、身体障害者は354,134.0人(対前年比2.3%増)、知的障害者は128,383.0人(同6.0%増)、精神障害者は78,091.5人(同15.9%増)となっており、特に精神障害者の伸びが目立ちます。

◆法定雇用率未達成の企業が約5割

障害者雇用促進法では、事業主に対して、常時雇用する従業員の一定割合(45.5人以上規模の企業:法定雇用率 2.2%)以上の障害者を雇うことを義務付けています。徐々に雇用障害者の数は増えていますが、同調査によると、法定雇用率達成企業の割合は48.0%(前年比2.1ポイント上昇)となっており、半数以上の企業で法定雇用率未達成という現実もあります。そのうち、障害者を1人も雇用していない企業(0人雇用企業)は30,638社となっており、未達成企業に占める割合は57.8%となっています。

◆障害者雇用促進法改正と今後の障害者雇用

令和元年6月に改正障害者雇用促進法が成立し、今年4月からは「特定短時間労働者を雇用する事業主に対する特例給付金」、「障害者雇用促進への取組実施状況が優良な中小事業主の認定制度」が創設されます。障害者雇用については、雇用の拡大のみならず、その質の向上も求められており、国や民間においても多くの施策が進められているところです。

障害者雇用については、自社の状況も踏まえつつ、今後も注視していきたい課題です。

 

「平成30年若年者雇用実態調査」にみる若者の転職意識

厚生労働省から「平成30年若年者雇用実態調査」が公表されました。5人以上の常用労働者を雇用する事業所約1万7,000カ所と、そこで働く若年労働者(15~34 歳の労働者)約3万人を対象として平成30 年10 月1日現在の状況について調査を実施したものです(前回は平成25 年)。

「定年前に転職したい」と考える正社員の割合は、前回の平成25年調査と比べて1.9ポイント増え、27.6%でした。賃金や労働時間などの待遇面でより良い条件を求め、転職を考える若者が増えたことが分かりました。詳しくは、以下のとおりです

◆若年正社員の転職希望
若年正社員が現在の会社から定年前に「転職したいと思っている」割合は27.6%、「転職したいと思っていない」割合は33.2%となっています。

これを性別にみると、男性では定年前に「転職したいと思っている」が24.7%、「転職したいと思っていない」が35.1%、女性では定年前に「転職したいと思っている」が31.3%、「転職したいと思っていない」が30.6%となっています。

年齢階級別にみると、定年前に「転職したいと思っている」は「20~24 歳」層が32.8%と他の年齢階級と比べて高くなっています。

◆希望する転職年齢
定年前に転職したいと思っている若年正社員のうち、希望する転職年齢階級をみると、男性では「30 ~39 歳」が42.7%と最も高く、女性では「29 歳以下」が44.0%と最も高くなっています。

◆若年正社員の転職希望理由
現在の会社から定年前に転職したいと思っている若年正社員について、転職しようと思う理由(複数回答)をみると、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」が56.4%、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」が46.1%と高くなっています。

◆正社員以外の在学していない若年労働者の今後の働き方の希望
正社員以外の在学していない若年労働者の今後の働き方の希望をみると、「正社員として働きたい」が41.8%、「正社員以外の労働者として働きたい」が30.9%、「独立して事業を始めたい」が4.7%となっています。

性別でみると、男性では「正社員として働きたい」が49.3%、「正社員以外の労働者として働きたい」が14.9%、女性では「正社員として働きたい」が38.2%、「正社員以外の労働者として働きたい」が38.3%となっています。

 

マイナンバーカードの取得状況と今後の普及への取組み

◆普及に向けた地方自治体の取組み

マイナンバーカードは、2016年から交付が開始されましたが、昨年12月16日時点で交付枚数は約1,872万枚、取得保有率は14.7%といまだに普及が低迷している状況です。

そこで、昨年9月、政府は全市区町村に対し、マイナンバーカードの交付円滑化計画の策定を要請しました。計画の主な取組みは以下のとおりです。

・来庁者への申請勧奨・申請受付、出張申請受付の実施

・ハローワーク、税務署、運転免許センター、病院・介護施設、学校、郵便局、企業等での申請・交付機会の拡大

・住民への周知広報

◆マイナポイントとは?

マイナンバーカード普及への取組みとして、今年9月から「マイナポイント制度」の導入が予定されています。この制度は、消費税増税に伴う消費者への還元と東京オリンピック・パラリンピック後の消費の下支えする観点から実施するとともに、キャッシュレス決済基盤の構築を図るとしています。

マイナポイントとは、マイナンバーカードを取得し、マイキーIDを設定し、キャッシュレス決済サービスにおいて「前払い(チャージ)」または「物品購入」を行った際に、国から付与されるポイント(1ポイント=1円相当)のことをいいます。そして、マイナポイントを申し込むことでプレミアム分として25%が還元されます(ポイントの利用上限は5,000ポイント)。実施期間は2021年3月までの予定となっています。

マイナポイントの詳しい仕組みやマイキーIDの設定方法等については、総務省「マイナポイント事業」サイト(https://mynumbercard.point.soumu.go.jp)を参照してください。

◆来年3月から健康保険証の代わりに!

また、マイナンバーカードは、健康保険証として利用できるようになることが予定されています。2021年3月からの利用開始を目指し、今後、支払基金と各保険者との間のシステム運用テストが実施され、順次、医療保険資格情報を登録していくこととなっています。

健康保険証として利用するには、事前にマイナポータルへの登録が必要です(今年4月から登録申込み開始予定)。マイナポータルに登録することで、自分の薬剤情報や特定健診情報を確認できるようになります。また、医療費情報を取得し、領収書がなくても確定申告書の自動入力が可能となります。

その他、マイナンバーカードを医療機関や薬局の受付に設置しているカードリーダー(2023年度末までにすべての医療機関や薬局に導入予定)にかざすことで、スムーズに医療保険の資格確認ができ、事務処理の効率化につながることが期待されます。

◆今後の取組みにも期待

昨年12月に行われた「第6回デジタル・ガバメント閣僚会議」の資料によると、2023年度末にはほとんどの住民がマイナンバーカードを保有していることを想定しています。

また、同資料の「マイナンバーカードを活用した各種カード等のデジタル化等に向けた工程表」のうち、就労関係では2022年度末からにハローワークカード、ジョブカード、技能士台帳、安全衛生関係各種免許、技能講習修了証明書等、建設キャリアアップカードをマイナポータルと連携して利活用できるようになる予定です。さらに、医療や各種証明書、さまざま公共サービスへの活用の拡大も予定されています。

 

令和元年度労働組合の実態 ~厚労省調査より

◆労働組合数と組合員数
令和元年6月30日現在、単一労働組合は24,057組合、組合員数は1,008万8,000人で、前年と比べると組合自体は271組合減っているのに対し、組合員数は1万8,000人増えています。過去5年間の調査結果をみても、組合数は減少の一途に対し、組合員数は増加し続けています。
・女性の労働組合員の割合
労働組合員のうち、女性が占める割合は33.5%で、その数は毎年増加しています。
・パートタイム労働者の割合
労働組合員のうち、パートタイム労働者が占める割合は13.3%で、女性組合員と同様毎年増加傾向にあります。

◆産業別の実態
産業別にみると、「製造業」が全体の26.6%と最も多く、次いで「卸売業、小売業」が14.6%、「運輸業、郵便業」が8.5%と続きます。逆に、組合がほとんどない業界として、「農業・林業・漁業」が0.1%、「鉱業、採石業、砂利採取業」0.1%、また「不動産業、物品賃貸業」が0.3%となります。

◆企業規模別の実態
民営企業の労働組合員数(単位労働組合)は870万4,000人で、前年に比べて5万1,000人増えています。これを企業規模別にみると、1,000人以上規模が全体の65.3%を占めています。300~999人規模は全体の13.3%、100~299人規模は6.8%と、組合員数は企業規模の大きさに比例しています。

◆主要団体への加盟
主要団体別に、産業別組織を通じて加盟している労働組合員数(単一労働組合)をみてみると、組合員が増えている団体は、インダストリオール・JAFで前年比4.2%増。一方で、減少している組合は、全労協(全国労働組合連絡協議会)で前年比3.1%減となっています。
労働組合の用語の定義
・単位組織組合:規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に独自の活動を行い得る下部組織(支部等)を持たない労働組合。
・単一組織組合:規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に下部組織(支部等)を有する労働組合をいう。
なお、このうち最下部の組織を「単位扱組合」、最上部の組織を「本部組合」という。
単位労働組合とは、「単位組織組合」および単一組織組合の下部組織である「単位扱組合」をいい、単一労働組合とは、「単位組織組合」及び単一組織組合の最上部の組織である「本部組合」をいう

 

障害者向けにスタートした「就労パスポート」

◆「就労パスポート」とは?

厚生労働省は、障害のある方の就職や職場定着を図るための情報共有ツールとして「就労パスポート」を作成・公開しました。

就労パスポートは、主に精神障害、発達障害、高次機能障害のある方(それ以外の障害のある方も活用が可能)を対象に、仕事をする際の自分の特徴やアピールポイント、希望する配慮などを支援機関と一緒に整理しながら作成するものです。企業は、障害のある方の採用選考時(必須提出書類ではない)や採用後に自分の特徴を職場の上司や同僚などに説明する際に活用できます。また、本人の障害理解や支援機関同士での情報連携等を進めるとともに、企業の障害理解、職場環境整備の促進、支援機関との情報共有にも活用できるとしています。

同省は今後、就労パスポートの普及のために支援機関と企業を対象に活用方法に関するセミナーを全国で開催するとしています。

◆記載できる項目

就労パスポートの様式、活用の手引き、活用ガイドラインは、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。様式はExcelファイルで作成され、次の項目について記載できます。

1 職務経験

2 仕事上のアピールポイント、

3 体調管理と希望する働き方

4 コミュニケーション面

5 作業遂行面

6 就職後の自己チェック

7 (参考)支援機関

◆内容の更新と情報の取扱いについて

就労パスポートは、内容を更新することができます。更新のタイミングとして、「職場定着上の課題が生じ、それを解決した時。または、課題の発生を防ぐための工夫を実践し効果が見られた時」や「本人のストレス対処やコミュニケーション、作業遂行などに関するスキルの向上が見られた時」に、本人からの希望と周囲が必要性を感じる場合が想定されます。そして、本人と企業の担当者、支援機関の三者が更新内容について話し合いの上、決定します。

また、更新した就労パスポートの写しの保管・共有と更新前の就労パスポートの写しの回収・廃棄または保管・共有については、本人の意向を尊重して取扱う必要があります。就労パスポートは個人情報として取り扱われるため、情報共有と利用目的、その範囲について本人に説明し同意を得る必要があります。参考様式として、「就労パスポートの情報取得と情報共有に関する同意書」が前述の厚生労働省ホームページの「事業者向けガイドライン」内に掲載されています。

【厚生労働省「就労パスポート」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/06d_00003.html

 

信頼できる上司・できない上司はこんな人

◆「信頼できる上司」の理由
マンパワーグループの「上司との信頼関係」に関する調査(入社2年目までの22~27歳の正社員男女400名を対象)によると、仕事上で上司を信頼しているとの回答が8割以上となったそうです。
その信頼する理由(複数回答)では、回答の多い順に①「部下の話を真剣に聞く」、②「頭の回転が速い」、③「良いところをほめてくれる」と続いています。
これらの結果を逆に考えると、①は、聞いているのか・いないのかよくわからない態度というのは、部下からしても上司からしても良い印象はありませんよね。当然といえば当然なのですが、意識したいところです。②は、部下からの質問の仕方なども影響するかもしれません。入社2年目ではまだまだ経験していない仕事上の「落とし穴」などもあることでしょう。「この場合はこうすればよい」というように単純に言い切れないことも多いですからね。③は、日本人の特性なのかもしれませんが、できていることはどんなことで、できていない部分はどんなことなのかをはっきり言わない(往々にしてミスの指摘ばかりする)状態になると、部下としては「叱られてばかりだ」という気持ちなってしまいますね。演技でもいいですから(?)、「いいね」が求められているようです。

◆「信頼できない上司」の理由
一方、上司を信頼できない理由としては、回答の多い順に①「高圧的な言動」、②「人によって態度が変わる」、③「仕事の指示がわかりにくい」、④「相談しても助言してくれない」と続いています。
一歩間違うとパワハラとも言われかねない①などは論外かもしれませんが、これらの回答を見ると、上司の方、特に中間管理職の方にとっては酷な社会状況なので、同情を禁じ得ない部分もありますね。この不透明かつ流れの早い時代に「なんでもわかってる」ような態度の上司は信頼できますかね?
アンケートから得られる教訓としては、もっとオープンに話し合えばいいじゃないか(そういう雰囲気を作る)、ということでしょうか。上司だってかつては部下だったのですから、部下の気持ちがわからないことはないはずです。

◆1年の計は……
職場の人間関係が負の方向に向かうと、部下のほうでは「離職」につながりますし、上司のほうでは「パワハラ」につながっていきます。どちらにしても職場の雰囲気は悪くなり、会社にとっては損な話です。1年の始まりにあたって、若い世代がどう感じているか、上司世代にどう行動してもらうべきか、どんな新人を採用すべきか、少し深く考えてみてもいいかもしれません。
【マンパワーグループ「部下から見る「信頼できる上司像」とは」】
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20191127.html

 

高齢者雇用の雇用状況~厚生労働省調査より~

◆65歳までの高年齢者雇用確保措置のある企業はほぼ100%

厚生労働省は、高年齢者を65歳まで雇用するための「高年齢者雇用確保措置」の実施状況などを集計した、令和元年「高年齢者の雇用状況」(6月1日現在)を公表しました(従業員31人以上の企業161,378社の状況をまとめたもの)。

同調査によれば、65歳までの雇用確保措置のある企業は99.8%と、ほぼ100%となっています。

◆定年制の廃止、引上げを講じる企業割合が微増

雇用確保措置の実施済企業のうち、「定年制の廃止」を講じている企業は4,297社、2.7%(対前年0.1ポイント増加)、「定年の引上げ」を講じている企業は31,319社、19.4%(同1.3ポイント増)、「継続雇用制度の導入」を講じている企業は125,501社、77.9%(同1.4ポイント減)となっており、定年制度により雇用確保措置を講じるよりも、継続雇用制度により雇用確保措置を講じる企業の比率が高いものの、定年制度の見直しを講じる企業がわずかながら微増していることもわかります。

◆66歳以上働ける制度のある企業が増加

66歳以上働ける制度のある企業の割合も増加しています。66歳以上働ける制度のある企業は49,638社(同6,379社増)、30.8%(同3.2ポイント増)、70歳以上働ける制度のある企業は46,658社(同6,143社増)、28.9%(同3.1ポイント増)となっています。

66歳以上働ける制度のある企業は、大企業、中小企業共に増加してきていることがわかります。

◆今後の動向も踏まえて検討を

現在政府は70歳までの就業機会確保を事業主の努力義務とする高年齢者雇用安定法の改正に向けて動いています。少子高齢化や労働力人口の減少により、高齢者雇用は今後ますます進んでいくことが予想されます。企業としても、先を見据えて対応を考えていきたいものです。

【厚生労働省「令和元年「高年齢者の雇用状況」集計結果」】https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000182200_00003.html

 

企業と労働者の意識に大きなズレ~「同一労働同一賃金」アンケート結果

労働政策研究・研修機構が、「同一労働同一賃金ガイドライン」を含めた「パートタイム・有期雇用労働法」等の施行を控え、企業とそこで働くパートや有期雇用の労働者を対象としたアンケート調査の速報を公表しました。

企業調査では、職務が正社員と同じ労働者の賃金水準は「正社員の8割以上」とする企業が6割超

まず、企業を対象としたアンケートでは、「有期雇用でフルタイム」「有期雇用でパートタイム」「無期雇用でパートタイム」の労働者を雇用する企業それぞれに正社員との職務(業務の内容や責任の程度)の相違を尋ねると、「業務の内容も、責任の程度も同じ者がいる」企業の割合は、「有期雇用でフルタイム」の労働者がもっとも高い29.1%で、次いで「無期雇用でパートタイム」の労働者が12.8%、「有期雇用でパートタイム」の労働者が8.8%の順でした。
また、正社員と「業務の内容も、責任の程度も同じ者がいる」場合に、その基本的な賃金水準がどうなっているかという質問では、「正社員の8割以上」と回答した企業の割合が、「有期雇用でフルタイム」66.9%、「無期雇用でパートタイム」64.0%、「有期雇用でパートタイム」60.9%と、いずれも6割を超えていました。

◆労働者調査では、3人に1人が「正社員より賃金水準が低く、納得していない」と回答

一方、「業務の内容も責任の程度も同じ正社員がいる」と回答した労働者を対象に、正社員と比べた自身の賃金水準をどう思うかという質問では、「同等もしくはそれ以上の賃金水準である」割合が10.8%、「正社員より賃金水準は低いが、納得している」が21.6%で、「正社員より賃金水準が低く、納得していない」が33.5%、「何とも言えない・分からない」が32.8%という結果でした。
また、「業務の内容が同じ正社員がいる」と回答した労働者を対象に、そうした正社員と比較して納得できない制度や待遇があるかという質問では(複数回答)、「賞与」を挙げた割合がもっとも高い37.0%で、これに、「定期的な昇給」が26.6%、「退職金」が23.3%と続きました。
さらに、全有効回答労働者を対象に、現在の勤務先に限らずこれまで働いてきた中で、正社員と「パートタイム」や「有期雇用」の労働者の間で、業務の内容および責任の程度、人材活用の仕組み、その他の事情に照らしても、不合理な待遇差を感じたことがあるか尋ねると、「ある」とする割合が21.3%で「ない」は35.2%、「分からない・考えたことが無い」が39.4%となりました。また、不合理な待遇差を感じたことが「ある」場合に、企業に対して待遇差の理由等の説明を求めたいと思うか尋ねると、「説明を求めたい」割合は37.2%で、「必要ない」が25.2%、「分からない・考えたことが無い」が36.7%でした。
調査結果をみるかぎり、企業側の意識と労働者側の意識には大きな差があり、企業としては、不合理な格差をなくすのはもちろんですが、「合理的な理由がある」場合でも、労働者に対して一層の説明の努力が求められそうです。

【労働政策研究・研修機構「『パートタイム』や『有期雇用』の労働者の活用状況等に関する調査」(企業調査)及び 「働き方等に関する調査」(労働者調査)結果】
https://www.jil.go.jp/press/documents/20191218.pdf?mm=1554

 

 

 

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