ケアハラスメントとは、ケアハラという略称で呼ばれることもあります。
ネーミングからイメージ出来るかもしれませんが、介護責任を負う社員への嫌がらせのことです。
近年の推計によると介護している人の数は、ざっと1,300万人とも言われ、そのほとんどが家族に要介護者がいることを職場に言えない「隠れ介護」。
現時点ではまだまだ認知が遅れているケアハラですが、今後介護をする人が増え続けるのは間違いない事実なので、このケアハラの認知も高まることでしょう。
介護は期間が定まっているわけではなく、終わりが見えないので介護する人の精神負担が大きいです。
そこへ、職場において嫌がらせがあると本人の精神状態は崩壊しかねません。
また、要介護者へのケアが十分になされない恐れすらあります。
このケアハラは、介護者への認知不足によるものとされます。
社会の認識の向上が求められるところですが、多様な働き方に対する政府の後押しも欠かせないでしょう。
介護者を抱える社員の会社に対する税制など何らかの優遇も有効かと考えます。
介護に関する問題は他人事ではありません。
会社において、介護者となる世代はまずマネジメント層に多くなるでしょう。家庭で介護とマネジメントの両立が経営の課題となってきます。
介護者にとって会社での働きやすい環境が求められます。
社内啓蒙と制度設計に取り掛かっても良い時期ではないでしょうか。
その前に経営者の介護に対する十分な認識が必要なのは言うまでもありません。
【親の介護で離職経験】
男性13%、女性27%
公益財団法人・家計経済研究所の調査によると男性13.4%、女性では27.6%が介護などを理由に仕事を辞めた経験があることがで分かった。
同研究所は「男性の介護離職は以前に比べ増えているのではないか」と分析。
未婚者の増加や、頼れるきょうだいが身近にいない人が多いことが背景にあるようだ。
介護の影響を聞く設問では、離職経験者は
「自由な時間が減った」と答えた人が86.5%(回答者全体は71.4%)、
「(子どもなど)他の家族に手が回らなくなった」としたのが59.4%(同49.1%)。
仕事を辞めた経験がある人ほど時間に追われ、ストレスを抱えている様子がうかがわれた。
調査では、在宅介護に係る自己負担額も尋ねた。
1割負担の介護サービス利用料に、介護食やおむつ代などを加えた平均額は月約6万9千円。
調査は2011年9〜11月にインターネット調査会社を通じ実施したもの。
要介護の親か義理の親と同居する全国各地の40〜64歳の470人(男性206人、女性264人)が回答。
その回答者の平均年齢は52.6歳、親の平均年齢は82.7歳だった。
(日経新聞2013年5月13日記事より抜粋)