「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」
(男女雇用機会均等法第11条より)
さらに男女雇用機会均等法11条では、セクハラを防止するために、事業主は雇用管理上必要な措置をしなくてはならないとしています。
企業の雇用管理の問題 |
・男性優位・男性中心の雇用管理 |
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労働者の意識の問題 |
・部下や同僚を仕事における対等なパートナーと見ていない |
対価型セクハラ | ・職場の地位を利用するなどした、労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否、抵抗等)によって,その労働者が解雇、降格、減給などの不利益を受けること |
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環境型セクハラ | ・労働者の意に反する性的な言動により、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な影響を生じるなど、その労働者が就業する上で見過ごせない程度の支障が生じること |
職場とは | ・労働者が業務を遂行する場所で、取引先、接待での飲食店、出張先、業務で使用する車中、顧客の自宅などを含み、アフター5の宴会も職務との関連性で含まれる場合もある |
右の図は、都道府県労働局均等室に寄せられた職場における相談件数で、平成23年度は全体で12,724件ありました。その中でもセクハラの相談は6割以上を占めるという高い水準です。
これは会社側のセクハラ対策が不十分のために、セクハラを受けた社員にとって会社の窓口は駆け込みにくいと考え、まったくの第三者である均等室のほうが話しやすいということのようです。
また、セクハラの相談者は女性労働者が約6割と圧倒的ですが、中には男性の労働者が約0.4割と少数ですが男性に対するセクハラも問題になっています。
・性的な内容の会話を聞かせる ・性的なうわさを流す ・食事やデート、交際への執拗な誘い ・性的言動を拒否した相手に不利益をもたらす行動 ・いやらしい目で見る ・男らしくない ・ハゲ・デブ ・おばさん 等
@労働者にとって
・働く意欲を低下させ、能力発揮を阻害する
・こころの健康を害する
・職場の環境を悪化させる
A 企業にとって
・職場環境の悪化によって、職場秩序や仕事の円満な遂行が阻害される
・労働生産性が低下する
・企業の社会的評価の失墜
B 職場にとって
・男性又は女性に対する意識や役割に対する誤った認識
・コミュニケーション不足
事業主は、職場におけるセクハラに関し、雇用管理上講ずべき措置として厚生労働大臣が定めた指針9項目について、企業の規模や職場の状況に関係なく、必ず講じなければなりません。指針は、セクハラの防止のために事業主が講ずべき措置を定めていますが、セクハラは防止することが最も重要であることを認識することが大切です。
D事実関係を迅速かつ正確に確認すること
E事実確認ができた場合は、行為者及び被害者に対する措置を適正に行うこと
F再発防止に向けた措置を講ずること(事実が確認できなかった場合も同様)
G相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること
H相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること
@ 固定的な男女観や性別役割分担意識の解消
A 職場の中に個人的(私的)な性的関心を持ちこまない
B 良好なコミュニケーション
・性に対する認識のギャップの理解とダブルスタンダードの解消
・コミュニケーションの基本(人の嫌がることをしない・言わない)と風通しの良い職場環境づくり
・プライバシーに関する過度な干渉を行わないこと
C 男性中心の雇用管理の見直し
セクハラ防止には、「働きやすい職場環境の形成」を目指してさまざまな対策を講じていきます。
職場環境では、就業規則の服務規定や懲戒規定で厳しく律することや、別途パワハラの規程を設けて全社員に向け説明、周知する必要があります。ハラスメントが起きる職場は、モラルも乱れています。新入社員研修をはじめとしてマナー研修を取り入れてモラルの向上を図ります。
その職場にあった改善方法がありますので、現状を確認した上で対策を講じることになります。
是非いちど当事務所にお問い合わせ下さい。